

甘く、華やかに。お菓子のさかいを彩る特別な苺の物語
私たちのショーケースに並ぶショートケーキや、クリスマスを華やかに彩るデコレーションケーキ。一口頬張れば幸せな気持ちになる「いちごブッセ」や、みずみずしい「いちご大福」。お菓子のさかいには、いちごを使ったお菓子がたくさんあります。
その美味しさを支えているのは、ただ甘くて美味しいだけではない、特別な物語を持った苺です。今回は、私たちが大切にしている、福島県矢祭町の「そらの社」で育まれた特別な苺「とちおとめ」について、その秘密をご紹介します。
奇跡の出会い、矢祭町の苺

お菓子作りにおいて、素材選びは命です。特に苺は、お菓子の主役となることも多く、その品質が味わいを大きく左右します。私たちは、本当に美味しい苺を探し求め、ついにたどり着いたのが、福島県最南端に位置する矢祭町でした。
矢祭町は、阿武隈川の清流と山々に囲まれた自然豊かな町です。比較的温暖な気候は、苺の栽培に非常に適しています。この恵まれた環境の中で、苺づくりに情熱を燃やす生産者集団「そらの社」との出会いは、まさに運命でした。
「そらの社」の苺は、一口食べればその違いがはっきりとわかります。まるで宝石のような輝き、そして口いっぱいに広がる甘みと芳醇な香り。この感動を、私たちのお菓子で表現したい。そう確信した日から、お菓子のさかいと「そらの社」の特別な関係が始まりました。
甘さの秘密は「土づくり」へのこだわり
「そらの社」が育てる「とちおとめ」は、なぜこんなにも甘く、美味しいのでしょうか?その秘密は、苺が育つ「土」にあります。
一般的に、苺栽培では化学肥料が使われることが多いのですが、「そらの社」は違います。「とにかく甘くて、美味しい苺を作りたい」という一心で、土づくりに徹底的にこだわっています。
なんと、苺の生育状況に合わせて、少しずつ土質を変えているのです。このこだわりは、まるで一流の職人が素材に合わせて道具を変えるかのよう。試行錯誤を繰り返し、手間ひまを惜しまずに愛情を注ぐことで、苺本来の甘さを最大限に引き出す土壌を作り上げています。
豊かな自然の恵みと、生産者さんの情熱。この二つが合わさって初めて、私たちの心を震わせるような、最高の「とちおとめ」が生まれるのです。
「とちおとめ」が持つ、特別な魅力
私たちが「とちおとめ」を選ぶのには、もう一つの理由があります。それは、この品種が持つ独自の魅力です。
「とちおとめ」は、果形が美しく、艶やかな赤色が特徴です。お菓子の主役として、その見た目の華やかさは欠かせません。さらに、香りが非常に良く、お菓子全体の風味をぐっと引き立ててくれます。
そして何より、酸味が少なく、甘みが強いのが最大の魅力です。果肉は程よい硬さがあり、ジューシーでみずみずしい食感が楽しめます。
この絶妙な甘さと酸味のバランスは、生クリームやカスタードクリームといったお菓子の素材と組み合わさることで、お互いの美味しさを引き立て合い、至福のハーモニーを生み出します。
いちごブッセ、いちご大福…お菓子のさかいの「とちおとめ」
「そらの社」の「とちおとめ」は、お菓子のさかいのさまざまなお菓子で大活躍しています。
ふんわりと焼き上げたブッセ生地と、とろけるようなクリーム、そして甘酸っぱいいちごが絶妙にマッチするいちごブッセ。
やわらかいお餅とあんこの中に、まるごといちごを閉じ込めたいちご大福。
そして、お祝いの席を彩るショートケーキやクリスマスケーキには、みずみずしい「とちおとめ」が惜しみなく使われています。
一つひとつのお菓子に込められた職人の想いと、「そらの社」の生産者さんが育んだ愛情いっぱいの苺が重なり合うことで、私たちは「最高に美味しい!」と自信を持ってお届けできるのです。

※年中採れるものではありませんので、夏苺など季節的に別品種等使用しています。